WOMAN / movie

 
「WOMAN」
directed and text written by Ayako Nagumo
music written, all instruments, mixed and mastered by Sakana Hosomi
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[title color=”black” size=”h5″]TAKIBISHA ISSUE [/title]SPRING 2016
 
焚火社にて「WOMAN」という映像作品とともに、アーティストとして紹介して頂いています。このテーマと機会を与えてくださった 外間隆史さん、音楽を提供してくださった 細海魚さん、とても感謝しています。自身でディレクション・出演を兼ねた映像を作るのは初めてのこと、外間さんの言葉がなければ生まれなかった作品だと思っています。自分自身と向き合う良い機会を与えて頂きました。
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[title color=”black” size=”h5″]Prologue [/title]━ この作品について。

子供の頃 「大きくなったら 叶う」 そう信じていたものがあった。それは、大人にさえなれば手が届くのだと思っていた。
でも違った、いつ迄たっても自分は自分で、手にするどころか それを目の前にしたとしても距離を保つことを覚えた。子供の頃は知らずに守られていて気づくことができなったものたちは、いつしか私自身が抱えていく。いつも笑っていた母のようになりたかった。

母は明るい人。私が不在の時も、友達が遊びに来ていることは珍しくなかった。時間があると自然の中に 私と姉を連れて行って、遊び方を教えてくれた。〜しなさいと言われたことがないけれど、夏休みでもないのに毎日絵日記を描く時間が作られていた。今は形を変えて写真になっているけれど、あの頃の習慣は続いている。若い頃にヒッチハイクをして旅をしていたりと活発な母だけど、茶道・華道・着付・料理・裁縫、なんでもできる。父にはもったいないと思っていた。

父も「お母さんいないと生きていけない」ってよく言っていた。でも 少し違っていたように思う。昨年父を亡くしてから、母が少し不安をこぼすようになったこと。父と母は小学校から一緒に居た、その年月と存在は母にとっても同じものだったのだろうと思う。生前父に聞いた、母を選んだ理由を。父は言った「手がすごく荒れてたから。」それを聞いて、母の気持ちが分かった気がした。

平気な顔は、守るべき人に見せていたい。その不安な心は、愛してくれる人に見せられるようになりたい。いつも平気な顔、いつも不安な心、そのふたりの私と未だ生きている。歳はいくつでも構わないと思う、見合う自信が持てたとき両手で包みたいものがある。子供の頃に叶うと信じていたものも、全部。

自由に育ててくれた父と母に感謝している。

自分の生涯を終えるときに、両親に「ありがとう」 と言える人生で在れたらと思う。

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